成長戦略会議に思う

成長戦略会議のメンバーを見ました。果たしてこのメンバーに日本の将来を託してよいものか、というのが第一印象です。日本学術会議のメンバーは入っていないようです。ここぞとばかりに日本学術会議のメンバーには提言を行ってほしいものです。いろいろわだかまりもあろうかと思いますが、経済的な儲け話ばかりに偏ることなく、日本人の気質を考えた将来像を語ってもらいたいところです。竹中さんがまたもや入っていましたが、何故この人を重用するのか分からない。七万円を配り、個人の成長戦略に資する糧とするということですが、明らかに破綻するのは目に見えています。社会主義ソ連よろしく働かないものが増えます。一部の人の独占欲を満たすだけの戦略です。会社は七万円の給料を減らし、役員は会社に貢献することができ、儲けることができるかもしれません。その他投資、銀行関係者の方が多く入っていますが、ペーパー商法ばかりの人が多いのはどうでしょうか。右のモノを左に移すだけの商売で金儲けをする人ばかりでは経済基盤に支障が出るように思います。右のモノをチョット付け替えるだけでぼろもうけをする事が、時勢に機敏な人たちから見れば簡単な事かもしれませんが、一時しのぎに過ぎません。トヨタ自動車が何故一流なのでしょう。技術力があるから。ではいつのころからそれを培ってきたのでしょうか。昭和になってからでしょうか。いや、それよりもずっと昔から、自動車とは縁もゆかりもない、品物づくりからです。そしてそれを奨励するような人脈作りをしてきたからこそ、今日があると思います。昨日今日の儲けに一喜一憂する商売をやってこなかったからではないでしょうか。中小企業の再編などどうでも良いことに口出しするのは国のすることでしょうか。後継者がいない、効率を高めるため、競争力をつける、と綺麗ごとを言いますが、淘汰される会社はあるものです。目先の経済運営をしてはいけません。若者にこのことが顕著になりつつあります。若くても給料をたくさんくれるところ、しがらみの少ない所、など自分都合が優先できるところを選ぶようです。自分を前面に出すのは良いとして、向上心を満たせるところ、研鑽を積めるところ、将来展望を模索できるところ、など自己探求できるところ、平たく言えばやりたいことが望めるところを目指そうとはしていないように思います。正規非正規社員などと言いますが、そのことだけが問題ばらば、地方に行けば正社員の募集などいくらでもあります。都会でのアルバイトは田舎の正社員よりも多く稼げます。そのことが都会から離れない理由でしょう。心機一転自分のやりたいことに向かってもらいたいと思います。グローバルスタンダードなど都合の良い言葉で日本企業の再編を模索するかのような政策は、注意して考えるべきです。東アジアの国々の貧富の差を見れば大変なことになっています。日本がそうならないように願います。これがどういう考えから出てきているのかよく考えることが大事です。二極対立思想があるからだと私は思います。一極集中にしたいけど、必ずもう一方がある、だからそれを排除しなければならない。そこに軋轢が生まれ、また支配服従関係が生まれるように思います。日本社会はそういう社会ではないはずなのに、そういう社会構成に持っていこうとする輩が増えてきているように思います。日本の宗教関係も多神教の教えから、我が宗門は、と言うように一神教的な教えに変わりつつあるようです。多様性を認める多神教からグローバル化という一神教に流されつつあるように思います。明治時代、日本は先進国西洋諸国に追いつこうと色々なもの、思想を取り入れましたが、そうする中でも日本に合うように考えを巡らしたものと思います。今はそういう事をせず考えもしない方向に向かっているように思います。優秀な人材は纏めるのではなく、働く場を与える事こそ大切だと思います。いかに儲けるか、ではなくいかに貢献できるかにもっと関心を寄せるべきだと思います。日本学術会議の皆さんには、経済のみならず歴史、社会構造の人達もいると思いますので、一元的な経済運営を批評してもらいたいと期待します。