東芝と投資会社

東芝が投資会社から買収を持ちかけられています。さすが英国の投資会社です。どう転んでも損はしません。買収の話が出て株価が上がりました。この話を引きずる限り株価操作は容易なものとなるでしょう。東芝は日本を代表する会社です。その為日本の国益にも影響が及びます。日本も慎重にならざるを得ないと思います。しかし、この話は東芝自身が招き入れた節があります。モノ言う株主に対抗すべく、一旦投資会社が大株主となり上場を止め、後に東芝が株を買い取るようです。どこをとっても投資会社が損をする所が見えません。良いように会社を扱われています。それだけ日本の会社経営のお粗末さが見えます。日本人は大規模会社経営に向かないように思います。専門的な会社、一社一種独立的な会社の設立には強い目的意識が働き、集中的な強みを発揮しますが、それが複数集まり各企業のバランスを考え出すと内部分裂を起こしだす様に見受けられます。その結果不採算部門と思われるところを切り離す行動に出がちです。その不採算部門が現時点で赤字でも将来にわたってはどうか、改善の余地はどうか、他の分野との共生はどうか、などの考えは浮かばないように思います。これは株式会社制度の悪い見本のように思います。これに対し創業者会社があります。トヨタなどは勿論豊田一族だけでは切り盛りできない大企業ですが、会社経営の意思決定にやはり創業者というネームが大きく影響していると思われます。松下電器もありましたが、今は影が大分薄くなってきています。会社経営にどういう意味で口出すのかが創業者企業の存続に罹っているようです。会社経営に今は投資会社が口を出しています。その時だけの株価のもうけを第一の目的にして、将来、従業員、産業構成などは考えもしない。それが国と言う基幹産業に影響を及ぼしてきています。東芝だけではなく、日立も話があるようです。三菱などは分裂してきています。日本の大企業と呼ばれてきた会社が小分けにされ、投資会社の資金洗浄、利益確保、濡れ手に粟の状態にされかねません。世界的な大規模会社の淘汰時代が来ているようです。それに伴い第四次産業のような金融商品取り扱い企業の横行が見受けられます。口先を使い人の欲望の上に成り立っているだけの企業が世界を牛耳ろうとしているように思えます。今までは銀行と言う金融機関が企業側をサポートしてきましたが、バブルに踊らされ、サラ金業を後押しし、庶民企業を食い物にしてきたころから信用はなく、今はマイナス金利であえいでいる始末。銀行だけが金融機関ではなくなった現在、ひ弱になった銀行の再編、サービスの悪化が表面化してきています。世界規模に対応しきれていない企業が日本ではあたふたしているように思います。日本の企業のトップが、コングロマリットの経営に不得手であるのはしかたがないが、それを一律に投資会社を信用し経営権をゆだねるというのは、お人よしにもほどがある、と言うものだろう。東芝が手放した半導体部門は自動車部門では不足状態であり、貿易収支の赤字を招いています。一社の目先の思惑が、数年後には大きく変わっています。東芝にはウマい汁がまだあるようです。しかし、日本国に関わる汁には気を付けるべきです。ここの社長と呼ばれる人は問題のある人たちが多いように感じられます。いっその事、日本のほかの企業との合併した方がより一層の価値を生むように思います。日本は金融機関産業にもっと気を付けるべきです。景気回復などの戯言お題目のためのマイナス金利政策で銀行機関を虐めるのではなく、今は銀行でさえも育てる政策をすべきです。行き場のなくなったお金が企業買収などの愚策に使われないように考えるべきだと思います。グローバル化ばかりを追い求めていると、日本の本当の企業経営思想が失われていきます。儲かるから、都合が良いと言う理由だけで動いてはいけないと思います。百年以上続く企業経営をお願い致します。