専守防衛に思う

安倍首相がミサイル防衛に対して発言しています。気になることがあるのでしょう。日本は専守防衛を旨として、国防を組立てています。あるTV番組で防衛省の幹部だった人が、日本にミサイルを一発も撃ち込ませない体制を組み立てなければならないなどと発言していました。私には理解ができません。専守防衛を旨とするならば、戦争状態になったなら、日本国内が戦場となるのは必死の状態になるはずです。日本がアメリカと戦争をした時、何故真珠湾だけを攻撃したのか。戦艦を攻撃して時間稼ぎを行い、その間に交渉を行おうとしたからではないでしょうか。その間に補給物資を確保しようとしたからではないでしょうか。戦争に至る経過として、経済困窮、理不尽な国際情勢、過度なナショナリズム、極端な国内世論などが考えられます。これらは独裁的な国家に見られます。一時の政策として独裁国家がすべて悪いとは思いませんが、権力者はそれを長期にしようとします。そのことの方が悪い結果になるように思います。現在そのような傾向のある国家が生まれてきています。ところで、集団体制を考えると蜂の集団を思います。女王、働き蜂、兵隊蜂などです。巣への攻撃は兵隊蜂が戦います。兵隊蜂がやられると巣は全滅です。人間世界に当てはめると、軍隊がやられると国が滅びます。だから主戦場を巣から遠くに求め、部分的な小競り合いの中で和平を模索するように思います。専守防衛とは、自分の方からは武力をもって先に攻撃をしない、問題解決の手段として武力を極力使用しない、と思いますが、同時に武力衝突に至ったならば国内が主戦場になるというものだと思います。どこか専守防衛は、国内に戦争被害が起こらないことだと思いたいふしがあるように思います。決定的な戦争状態に陥った場合、ミサイルを一発、数発だけ撃ち込むことはあり得ません。敵基地全てに撃つはずです。敵の兵隊蜂を叩くものと思います。昔は海軍の船が先発部隊でしたが、今はミサイルです。日本国内に自衛隊基地アメリカ基地がどれくらいあるか分かりませんが、それら全部を狙うはずだと思います。アメリカ、ロシアがなぜあれほどの核ミサイルを保有しているかと言うと、互いの基地全てを一気に殲滅するためだと思います。日本に一発のミサイルも撃ち込ませず、敵基地を叩こうとする動きがあります。どちらも無理です。複数のミサイルが飛んで来たら打ち射落とせません。敵基地を攻撃しようとしても正確にどこにあるのか分かりません。敵基地が日本から遠くにある場合攻撃できません。敵基地攻撃に際して民間人に被害が及んだ場合、その反動は大変なものとなります。思うに専守防衛とは敵の攻撃を受ける事が前提条件です。被害を被ることが出発点となる防衛戦略だと思います。その上で敵基地を数か所攻撃できる態勢を整えるべきだと思います。イージスシステムのミサイルからの落下物が民間に落ちるかも知れないと言って、取りやめることの理由にしている現状はどうでしょうか。たぶん止めるに際しての理由付けをぼかすためなのかもしれませんが、誰かが止めたがっていたように思います。大気圏に達するほどのミサイル、低空で飛んでくるミサイルは撃ち落とせないようです。一機のミサイルを一機のミサイルで撃ち落とす方が無理で、数百発撃ち込んで当たるかどうかのものです。落とすだけなら精密機械で飛んでくるものですから色々方法があると思います。妨害電波、炸裂弾など考えられます。敵基地攻撃ミサイルの開発よりも、ミサイルをどう撃ち落とすかにお金を使った方が良いように思います。国内にミサイルを一発も撃ち込ませない、だから敵基地を攻撃するためミサイルが必要だ、抑止力になる、などの空論はやめにしましょう。防衛省の考え自体がお粗末のように思います。