責任のありよう

新幹線で重大事故に繋がる故障が見つかりました。博多から東京に向かう列車です。博多を出てしばらくして異常ながたつき、匂いを車掌が確認し、2時間後ぐらいに岡山県で車両専門職員が乗り込み異常を確認し、5時間後に名古屋で止まりました。新幹線開業以来初めての重大事故に繋がる故障です。事故がどうのこうのではありません。この報告から新幹線を止めるまで5時間掛かったことが問題ではないのかと思います。検証してみます。最初車掌さんの対応は通常どおりと思います。異常箇所の確認、状況の把握。恐らく司令所に報告し指示を仰いだものと思われます。とりあえず専門家に見てもらおうとして岡山から乗車したものと思います。ここで疑問が生まれます。専門家を乗車させるのになぜ2時間以上掛かったのか。異常を報告して、止める手立てを講じなかったのか、また少なくとも1時間ぐらいで広島あたりで点検が出来なかったのか。次に岡山で専門家が乗車して異常を再確認して、なぜ止めようとはしなかったのか、岡山で一旦再点検をしなかったのか。そして大阪など名古屋よりももっと近くで止めようとせず、名古屋まで走ったのか。危険きわまりない。現場は事故状況を適格に把握し報告したものと思われます。それを受けた司令所の判断の甘さが有ると思います。まずは素人ではなく専門家の意見を聞いてみよう、と言うことかと思います。その決断をするのに2時間も掛かっています。30分位内に決裁できる人がいないということです。専門家の意見を聞いた後でも3時間掛かっています。止めたらどうなるとか、止めるのにどこが一番良いだろうかとか、責任はどうなるとか、余計なことを考え、何が一番大事なのかを考えない、まだ走行に支障なく動いているから大丈夫だろうと楽天的に考えたものと思われます。現場と管理者の意識の違いが現れたものと思います。こういう事が最近目につきます。防衛省ではよく言えば文民統制とか言いますが、現場自衛官と公務員との意識の違いが安倍政権下でも現れました。大臣や文官の心ない発言など現場の臨場感をお互い共有しているのでしょうか。なにも防衛省だけではありません。他の省も似たことが起こっています。文官による後ばかりを気にする傾向に多少うんざりしているのは私だけでしょうか。学校は校長先生が一番偉く、学校のことは校長先生が指導的立場にある、と思っていたら大間違いです。市県の学校教育委員会の皆さんが後々文句を言ってきます。公務員というものは市民から文句を言われるのが一番嫌いらしく、何よりも文句が出ないようにし、出そうなら条令をつくり、それでも出そうなら誰かに責任を転嫁する、と逃げの公務員が多くなったような気がします。これは大企業にも当てはまります。下の者は上の判断待ちを繰り返しています。自分が・・、とでも言えばすぐに飛ばされます。全く責任の所在は誰に有るのか判らないようになってしまいました。東北震災でも東京電力の幹部と原発にいる現場との意識のズレをTVで見た人がいると思います。全くナンセンスな質問と指示を出していることに気づいた人も多いと思います。それに輪を掛けた政府の対応には驚かされました。自衛隊ヘリによる消火活動です。ドラマでも見ているようでした。素人目にはすごい、と思いましたが、今考えると全く成ってないと思います。組織で活動する以上判断、決裁出来る立場が段階的にあると思います。この立場が今では一番上にしか認められていないように思います。本来それぞれの立場で責任ある仕事をするべきなのに、責任の所在を問われるのをいやがるためにたらい回しにしている感が有ります。現場的には対処の方法をまず考えるのに管理的には状況報告、原因分析、各所の影響を提出させその後対処の方法を考えるという癖がつきすぎているのではないのか、と思います。相撲協会が大変になっているようですが、私は貴乃花親方はもう少し協力的になった方が良いと思います。個人としての思いもあると思いますが、組織人として活動する以上、すり合わせをする段階に来ていると思います。日馬富士の恭順の意をそろそろくんでも良いのではないかと思います。それと相撲協会のことは別の次元で考えるべきではないでしょうか。貴乃花親方の態度は立派なものですが、このままでは民衆の共感を得られず孤立しそうです。貴の岩の容態は分かりませんが、相撲をこの先続けて行くのであれば相撲協会と話し合いを持つべきだと思います。帝釈天と阿修羅の戦いを思い起こさせます。帝釈天の理不尽な行いに対して阿修羅が戦いを挑みますが、阿修羅の当然ではあるが、正義を振りかざした執拗な戦いに次第に民衆が離れ、帝釈天の良くも悪くも奔放である行動、そこから出る寛容さに次第になびいていく気持ちの流れにならなければ良いがなあ、と思います。何故この様な事を書くのかとゆうと、横綱審議会のメンバーは何をしているのだろうか、ということです。自分達が何か偉い者、国民を代表しているもの、御意見番、水戸のご老公とでも思っていないだろうか。私には現場と管理者の関係に思えてなりません。危機管理体制が相撲協会依りである限りは、貴乃花親方の態度が軟化する事は難しい気がします。それではと何故横審が間に入って調査なり意見集約なりをしないのか。このままだと日馬富士は犯罪者扱いになってしまいます。本人も困るだろうし、貴乃花親方も望むところではないと思います。横審のメンバーは小言を言うだけでなくどうすれば角力発展に寄与出来るか真剣に考えてもらいたい。だれか私が骨を折ろうと言う人がいないのか。全く責任の所在を明確にしない、責任のありようが判っていない人達が増えたものだ。