教養を大切に思う

私が大学生の頃は教養課程と専門課程がありました。今はどうなっているのか判りませんが、大学の4年生を就職活動に当てざるを得ないのはもったいないと思います。最後の一年で将来が決まるのかも知れませんが、やはりもったいないと思います。企業は3年生までの人物評価をしているらしい。というより大学のネームで選んでいるのでは無いのかと私などは思います。外国企業が就職活動時期を守らないから日本の企業も就活時期を設定しない、などとの発言もありましたが、外国企業の雇用体系を企業も学生も十分理解しているのだろうか。確かに優秀な人は外資系に就職して沢山のお金と責任ある仕事に就けるかも知れませんが、それだけの努力を求められます。専門知識、体力、判断能力など。もしそれらが伴わないようになったら、恐らく解雇と言うことになるのでは無いのかと思います。権利と義務付けがハッキリしているように思います。悪く言えば使い捨てのように思われます。優秀な学生はその事を察知して新たな就職口を見つけていくでしょうけれど、そうでもない者はどうしているのでしょうか。隣の柿がより赤く見えるのが気に入らない、と言っているようなものではないのかと思います。最近はトップダウン方式の判断が多いように思います。社長の専門分野での判断は良いと思いますが、他の方面まで同じ様にやると間違いが起きやすくなります。知らないものは素直に他の者に聞いた方が良いと思います。以前私は人事課長鬼塚という漫画を見ると書きましたが、そこに書いてあることが現実でも起こっています。そういう問題を解決していく漫画でもありますが、実際問題として提起され、解決策が無い状態を見ると少し残念に思います。また違法就労をすぐさま切り離した大企業も有りました。切り離すことでリスク回避を行ったつもりでしょうが、従業員は何も学ばなかったものと思います。失敗をなかったものに為ることは何も学べていないことを意味します。大学と高校の違いは何でしょうか。高校では5教科の勉強、また初期の専門知識等です。大学は専門知識等です。そして教養分野です。一見不必要にさえ思われる教養課程が今は一番大事にさえ私には思われます。体系化された専門知識とは関係なく、無造作に置かれた知識の断片が大変大事にさえ思えます。それは人を潤す薫りのようなものではないかと思います。何も役に立たないかも知れませんが、潤滑剤のような、アロマのような感じがします。私は大企業に勤めたことがありませんので知りませんが、企業に図書館というものがあるのでしょうか。専門分野の本だけでは無く、教養分野の本が沢山置いてあるのでしょうか。無ければ是非つくってもらいたいと思います。専門馬鹿は結構ですが社長馬鹿はいただけません。