イランとの外交

安倍首相がイランに行きました。報道はその事実と結果を知らせています。仲介が上手くいかなかったこと、甘い読みが批判されている事などが真実のように語られています。私は安倍首相がイランに行ったことは良かったと思います。北朝鮮トランプ大統領が日本について語ってくれたことを、今回は日本がイランにトランプ大統領について話したことになると思います。北朝鮮での借りを少し返すことになったのでは無いのかと思います。会談はある程度わかりきった内容であるし、結果も予想できるもので有ったと思います。しかしこのわかりきった内容を確認する作業が最も大事な事実で有ったと思います。アメリカにとってはイランが対話をどう捉えているのか。ハメネイ氏は駆け引きのような対話は拒否する事が判ったし、ロウハニ大統領はなんとか対話のきっかけを模索しているように思われることが判ったのでは無いでしょうか。その結果核兵器は造らず、持たずが世界に向けて確約できたし、中東諸国とは真摯な態度で臨むならば対話も可能であることが証明されたのでは無いのかと思います。全てを鵜呑みには出来ませんが、その方向性を持っていることが中東諸国は勿論ヨーロッパ諸国は十分認識し、第二の仲介者が出ることを期待させるものであったのではないでしょうか。人前に姿を滅多に現さないハメネイ氏との会談はそれだけでも意義あるものとしても良いのでは無いのかと個人的には思います。日本にとってもイランとの関係を良好なものにすることが出来たと思うし、イランも日本に対し少し不満もあるかと思いますが、火事場に駆けつけてくれた日本に悪い印象は無いと思います。確かにアメリカのある意味理不尽な対応はアメリカ国内事情によるものが大きいと思いますが、アメリカは世界の警察を降りようとしているのかどうかをハッキリさせなければならないと思います。その上で中東諸国の国々に対してどういう国家間の関係を築こうとするのか話し合わなければならないと思います。核戦力を持つのは既存勢力だけだ、というのは無理があるように思います。それを押し通そうとすれば、中国のような後押しするかのようにみえる大国のわがままに踊らされる結果になるように思います。軍需産業は儲かるかも知れませんが、新たな火種を増やすだけのように思います。安倍首相はイランに出向きアメリカとの会談を模索しました。イランは予想通りの反応を示し、アメリカとの会談を拒否しました。日本はアメリカとの義理は果たしたと思います。次にやることはイランが何処の国と会談したいかを仲介することではないでしょうか。サウジアラビアでしょうか。他の中東諸国でしょうか。ヨーロッパ諸国でしょうか。日本外交を示すには良い機会だと私は思います。またそうでなければ何のためにイランに行ったのか判らなくなります。次に繋がるような外交関係を願います。