老人の交通事故が報道されています。痛ましいかぎりです。被害を受けた方はもちろん、事故を起こした本人も悲しんでいるものと思います。私は知ったかぶりで車の構造について書きたいと思います。老人の方々が事故を起こす前まで少なくとも優良な運転手だったと思います。歳を重ね反応が鈍くなったとはいえ悲惨な事故を引き起こすことは考えなかったのでは無いでしょうか。そして長年運転してきたと言うことは、ギア式車に乗ってきたと思うのです。オートマチック車が一般的に見られる様になったのはまだ２0年位ではないでしょうか。長年乗ってきたギア式車の感覚とオートマチック車の感覚とが合わないというのが私の印象です。ギア車に乗ったことが無い人は判りづらいと思います。まずアクセルとブレーキの関係ですが、ギア車はかかとを起点に足を右の位置でアクセル、足首を左に回してブレーキを踏むことを基本とし、そうできます。オートマチック車も同じだと思う事でしょうが、オートマチック車はブレーキの位置は同じでも高さがあります。極端にいえば膝を曲げて踏み込む動作をしなければいけません。右の足首を左に回してブレーキは踏めません。オートマチック車しか乗らない人はフォークリフト車のように右でアクセル、左でブレーキを踏むことが出来るかも知れませんが、馴れない人には難しと思います。私にはブレーキの位置の高さが高いように思われてなりません。ところでアクセルとブレーキを同じぐらい踏むとどうなると思いますか？アクセルが勝ちます。つまり止まりません。ギア車はクラッチが有ります。クラッチを踏めばそれ以上のスピードは出ません。オートマチック車にはその機能が有りません。ブレーキを踏まない限り速度は落ちません。そしてブレーキを踏み尚且つアクセルを離さなければ止まりません。昨今自動ブレーキが導入されていますが、低速での運転に限るようです。まだまだ難しいように思います。私は思うのですが、最近の車はパーキングブレーキを左側の足の位置に設置して有ります。このパーキングブレーキを非常用のブレーキとし尚且つクラッチ機能を持たせたらどうだろうと。危険を感知して身体が判断するのに、正しい判断に迷いが生じることが有ります。その一瞬の迷いに対処する道具として非常用のブレーキを考えても良いのでは無いでしょうか。外国の車に非常用のブレーキがあるのを見ました。左側のパーキングブレーキはブレーキとアクセルカットを同時に行えるとすれば、ギア車に乗り慣れた人には非常用のブレーキのように思われるのでは無いのかと思います。老人の認知判断は歳と供に衰えていくものと思います。免許返納は事故を起こさないための自衛手段かも知れませんが、機械的にもう少しどうにかできないだろうか、機械と人との関係を問われているようにも思います。機械に会わせているようにも思います。事故は被害者も加害者も嫌なものです。事故を起こしても小さな事故になるように機械的に、人間行動学的に考えてほしいものです。
