2000万円から思う事

年金二千万円不足問題が賑わせています。年金だけでは老後の生活に不安があることは誰でもが思い描いていることだろうと思います。私が思うのはまず、老後の生活費が26万円入り用だ、と言う点です。年間300万円です。私の住んでいる田舎で300万円で生活している人は少ないと思います。夫婦共働き、子供が居る家庭で、300万円ぐらいでは無いでしょうか。収入の全てを生活費に充てるわけには行かないので、生活費は切り詰めなければいけません。26万円は何処の地域の平均モデルでしょうか。田舎では老人夫婦であれば、高くても200万円ぐらいが良いところだと思うのですが。都会に住む老人夫婦を対象にしているのでは無いのかと思わざるを得ません。2000万円だけがクローズアップされていますが、根拠となる支出金額がピンと来ません。果たして皆さんはどうでしょうか。むしろ金融庁の金銭感覚のずれを感じます。このズレが2000万円にも繋がり、何を言っているのか判らない、何が言いたいのか判らない、に繋がっているのではないでしょうか。もしかしたら都会の人達の収入の年間1000万円を基準にしているのでは、と勘ぐりたくなります。田舎では200万円でくらす若者がいます。東京一極集中を是正しようという動きがありましたが、給料格差が大きいことを考えるとそう簡単にはいかないことを思い当たらせます。老人は隠し財産を持っている、預貯金の大半は老人が持っている、と思われています。果たしてそうでしょうか。田圃を売った、山を売ったなど昔からの財産を売却することでお金を手に入れた人達もいるでしょうが、それらの老人が自分ひとりの財産だとして使用出来るでしょうか。田舎に根付く老人達を個人として見るとその老人の資産かも知れません。しかし財産を昔から受け継いできた財産と考えるとその老人個人の財産では無く、一時的に預かっているに過ぎないと捉えることも出来ます。田舎で何かしらの仕事をしている家庭はむしろ一企業の感覚で見るべきだと思います。一企業であれば、その時の社長が財産を個人的に投資したり、売却したり勝手に出来るでしょうか。むしろ自分は自分の代に財産を一時的に預かっているに過ぎないと思うのが当然では無いのかと思います。個人慣れした人達には、今ではなかなか理解できないことかも知れません。この感覚は大切なことですが、やっかいなこともあります。とにかく田舎の金持ちに見える老人達をターゲットにしたような投資促進のような話は止めた方がよいと思います。もし本気で田舎の老人達が投資に手を出すようなことがあれば日本の国土はあって亡きものになってしまうのでは無いのか思います。各地で投資に失敗したビル、レジャー施設などが外国資本に買われたり、廃墟になったりしているのを目の当たりにしていると思います。田舎の山々、田圃、漁港が廃屋にならないようにと思います。それを支えているのが老人達で有ることを認識すべきだと思います。年金は2000万円足りません。隠し財産を今のうちに投資に回すべきです。と言っているように私には聞こえます。私には隠し財産も2000万円つくる余裕も有りません。バラ色の老後は期待できませんが、孫に期待して投資しています。老人のわがままでしょうか。