森発言に思う

森会長が辞めました。あれだけ叩かれたら辞めざるを得ないでしょう。昭和の私は森会長の発言に対して全てをすべてを否定するものではありません。政治家としてやって来た半生を思うとアイロニーを込めた発言であったようにさえ思えます。政治家は時に聴衆受けすると思われる発言をしたがるものです。それが裏目に出て非難されるにも関わらず、なかなかやめられない。因果な性格です。森さんの発言が性差別のように取られていますが、恐らくそういう意図はなかったのではないでしょうか。そう取られかねないのは別として。理事会の構成を男女比の割合を同等近くにするという要請に対して、無理に持っていこうとする構成者に対する反発があったものと思います。私は男女比を意識して同等に持っていくのは反対です。女性だからと言う理由で席が回ってくるのではなく、女性であっても実績などで勝ち取ってもらいたいと思います。女性からすれば、男性構成員の中で女性が選ばれるのは無理がある、ように感ぜられるかもしれません。選ぶ基準は男女同じにしなければならないと思います。しかし、男女比を同等に持っていくのはグローバル基準だとするのは、男性の反発を生むのではないのかとも思います。これは性差別の問題、人種問題、宗教問題まで広がって来ると思います。その国で有力なものが他方を支配下に置いたり、蔑視したりする行為が思われます。単にグローバル基準を当てはめると、問題が水面下に潜っていってしまうようにさえ感じます。今回の森さんの発言から思う事は、会議での議事進行問題、理事選考における男女比強制ではなかったかと思います。女性の発言が議事を進めていく上での妨げになっている、と言うものですが、これは女性だからと言うものではないと思います。議事を進める議長なり事務長なりが下手なだけだと思います。自分達の議事運営の稚拙さを棚に上げ、問題発言ばかりを繰り返す発言者にうんざりした結果を言っているように思います。男性ばかりだと言わずもがなの雰囲気が出て収まりがつくものを、女性が入るとなかなかそうはならない、とでも言いたそうに思われます。そういう一面はあるにせよ、やはり自分たちは議事進行、問題提起を真摯に受け止めるべきで、それで解決できるものと思います。オリンピックという共通問題に取り組んでいるものどうしですから、問題提起する側も解決案を提起するようになれば意外と話は進むのではないでしょうか。国会の野党のように、問題提起だけすればよい、与党が弱ればよい、ぐらいに考えているのとは違うと思います。また政府の方から理事構成に男女比を考慮に入れて欲しい、という要請があったものと思われます。確かに男性ばかりの構成員もおかしなものだとは思います。しかし、障害者雇用を民間には強制しておきながら、自分達はないがしろにしていた過去があるものに余り言われたくはない気がします。残念ながら日本は仕事として見れば、女性の活躍の場が少ないと思います。やる気のある女性にとっては、困難な道のように思うかもしれません。日本が女性差別によって女性の社会進出を妨げているという面もありますが、女性保護という観点もあると思います。女性だからと言う点で、黙認されている、許されている面もあろうかと思います。グローバルスタンダードが根本であると思い込み過ぎていては、日本の文化慣習を見誤るのではないのか、と思います。日本は一国では生きていけない状態になってきています。その為世界基準と言うものを取り入れていく必要があります。同時に日本基準と言うものを発信していく必要があると思います。日本人は明治時代までは公には肉を食べませんでした。もちろん肉に対し色々な呼び名がある事を思えば、食べていたことは間違いありません。今では牛、豚、馬、猪など色々な動物を食べています。しかし宗教上これらを食べない文化もあります。グローバルスタンダードはどちらでしょうか。日本人はクジラを取ります。これは世界から非難されています。さて基準はあるのでしょうか。難しい基準はさておき、森さんは政治家として川淵さんに根回ししたようですが、反対勢力の根回しにより撤回させられました。くれぐれも政治家の道具にならない人事、オリンピックにしてもらいたいと思います。