働き方改革に思ったこと

働き方改革なるものがあります。私の第一印象は国の借金が多くなり、色々な面で税金でまかなえなくなりつつあります、ということです。それはさておいて正規、非正規に代表される同一労働同一賃金ですが、同一労働と言うものがどういう場合に当てはまるのでしょう。私は自動車生産に見られる流れ作業の場合、所謂ブロイラー型労働の場合には当てはまると思います。誰がやっても一定の成果が期待できる仕事です。非正規の労働者が正規社員の仕事をこなしても、賃金は正規社員よりも低い、と言うことが取り上げられますが、単純には比べられないと思います。会社が一時的に非正規社員を雇う場合は別として常時雇う場合いろいろな点を考慮しなければならないからです。例えば事務労働の場合、事務処理が70%、雑用が30%とした場合正社員には30%を要求できますが、非正規社員には原則要求出来ないと思います。事務処理の70%を持って同一労働と呼べるでしょうか。これを雑用係ではありませんと拒否する事も出来ます。個人的な要求は別にして事務員だから事務以外の仕事をしたく有りません、とした場合どうなるのでしょう。残業を規制する一方で副業などを推進していますが、何をやらせたいのか分かりません。副業をする大半の人が副収入を得たいが為と思いますが、自分の慣れた仕事のスキルアップはさておいて、違う仕事を勧める。幅広い視野を持って欲しいと言うことかと思いますが、社会人になってなかなか余裕はもてないものです。地域限定正社員なるものがありますが、私は転勤を希望しない人にとっては良い制度だと思います。ここにも同一賃金を持ち出すものがいますが、私には分かりません。転勤というリスクがないという利点を考えるべきだと思います。賃金を取るのか労働環境を取るのか区別するべきだと思います。女性若者高齢者が働きやすい環境とのことですが、何に力点をおいて言っているのか分からない。若者は働くことから学べる社会学、将来に対するビジョン、現在のあり方など多岐にわたると思います。子供のいる女性であれば子育て、家庭問題が来ると思います。高齢者は自分の躰と今までの仕事をどう両立させるかがあると思います。会社がやれることは限定されます。大企業はまだしも中小企業の場合難しい場合が多くあります。地方の企業においては正社員で若者に来て欲しいくらいです。都会の大企業を参考にしてこの制度を考えたとしか思えない。働き方改革というのは都会での働き方であって地方では何の役にも立たないように思えます。色々文句を書きましたが、働き方改革は労働者に優しい環境作りをしようとしているようです。長時間労働の是正、同一労働同一賃金、弱者労働者に対する保護、多様な価値観の尊重。これらを実現させるためフレックス制度、副業などの解禁、外国人労働者の受け入れ、採用基準の見直しなど企業に働きかけているように思います。これらはこれから企業が直面する課題を前もって羅列して、政府側は注意勧告をしました、と言う体を造りたいのかな、と思います。何を言いたいのか。政府は物価を上げ、インフレーションに持って行きたいとのことですが、果たしてこの大前提とこの働き方改革が両立するのでしょうか。最近の傾向として政策の制作を急ぎすぎると思います。そのためか一貫性に欠けている様に私には感じられます。インフレターゲットは引っ込めましたが、インフレへの方向は目指しています。それが無謀な試みだと思いますが、仮にそうなった場合長時間労働を強いられ、フレックス制度は消し飛び、臨時社員が増え、若者は活躍する前から疲弊するのではないのか、と思います。今の労働環境は今に始ったことではありません。それよりもこれから先人口減少にもっと焦点をあててそこから労働者に優しい環境作りを考えてもらいたいと思います。お金が欲しいのか、キャリアを積みたいのか、スキルを磨きたいのか、充実した生活を望むのか人それぞれでありますが、必要なのは思い立ったときは手遅れと感じさせない環境作りではないか、と思います。いくつになっても社会との関わりを持ちたいものです。病気子育て介護に時間を取られる日々から解放されたとき、出遅れた感はまだしも、取り戻せないような絶望感だけは持たせない環境作りが大事だと思います。定年を迎え若い頃憧れた職種に向かおうとするとき、チャレンジできる環境作りが必要だと思います。要するに希望の持てる環境作りを考えてもらいたいと思います。先に希望の光が見えれば人は例え今苦しくとも我慢できると思います。光が見えず現在の苦しみが続くと今しか見えてこないものです。今の問題しか見ようせず文句の後の次がない、次を考えるから議論があり、生産性があると私は思います。はっきりしていることは、働かなければ食べていけない、老後などと言う言葉はその内死語になるかも知れません。