台風19号

台風の影響が甚大です。あれほど報道で危険性を喚起していたのに、被害が相当なものになっています。台風が巨大だったせいもあろうかと思いますが、問題もあろうかと思います。その前の静岡県での台風被害において数週間に及ぶ停電、復旧作業の遅れに疑念を持っていましたが、それが千葉県での数ヶ月に及ぶ停電、復旧作業の遅れでも露呈しました。住民の生活基盤が失われ、経済活動も停滞したことでしょう。東電の原発事故に対する対応に追われ、通常の保守点検に資金、人員が削減されたせいかもしれません。大企業になれば何時しか現場の面倒な作業は、他人任せにしたくなります。快適なビルの中でのペーパー作業に馴れてしまうと、それが当たり前になり現場における人手と煩雑な書類作業は削減の対象になり得ます。ビルの中の人間は特権階級の人間であるかのように振る舞いがちです。日本は現場を大事にしてきたと思います。リチュウム電池でのノーベル賞受賞者は企業内の方です。その企業がそういう研究者、現場員を大切に思っていることを誇りにしたいと思います。今度の台風が巨大だったことを理由に、被害が相当なものになるのは当然である、とどこかで思っていないだろうか。河川の氾濫が一番ひどい状況のようですが、素人が考える一番目は河川の堆積物は適切に除去されていたのであろうか。天井川のような状況になっていなかったであろうか。急激な大雨と満潮時が重なり被害が出たことは想像できますが、河川の保水量を計算していただろうか。最近は田圃をやめて、住宅地にかえる土地もあります。水を引き込んで稲を作るところに家を建てるのですから当然その対策をしておくべきだと思いますが、どうだったのでしょう。宅地開発では危険地域などには注意喚起がなされていますが、農地だった所に注意喚起がなされていただろうか。市街化調整区域などの行政面だけで事を推し進めてこなかっただろうか。山林にしても山なだれが起きているところは、針葉樹を植えているところが多いように思います。山がやせてきているように思います。広葉樹の保水力に比べると格段の差があるように思います。山林の針葉樹による吸水力の低下、田畑の減少による保水量の減少、河川管理者の削減による現場の意識の低さ、などが関係していないだろうか。ダムの放水にしても危険性が迫ってからの対応のようにも見えるし、川の決壊にしても発表の遅れが伺えます。組織運営上の監理のあり方が先見性の遅れを阻害していないよう願います。ところでオリンピックのマラソン競歩を北海道で行う案が出ていますが、暑さ対策というよりも今度の台風の影響では無いのかと疑り深い私は思っているのですが。