宮城県の水道事業に思う

台風被害が甚大です。山は崩れ、川は氾濫しました。電気は止まり、水道も使えませんでした。公共インフラが機能麻痺に陥りました。道路は寸断され橋も流されました。陸の孤島になった集落もありました。地球温暖化のせいか、日本の気象状況が変わってきています。暑いところはより熱く、寒いところはより寒くなりつつあるようです。さて、宮城県が水道事業を民間に委託しようとするそうです。200億のお金をもらって委託をするそうです。そのお金をもらって水道設備を更新したり、地域振興に当てるのかも知れません。一見良さそうに見えますが、水道料金に上乗せされるのは目に見えています。簡単に水道料金を上げられない公僕が、民間に値上げを委託しているようなものと穿った見方もしてしまいます。民間事業者が今の料金体制で済ますはずも無く、利用料金値上げは既定路線だと想います。民間委託により職員を減らすことで、財政にゆとりが出るかも知れません。TV番組で放映されていました。正規の職員は数人で、非正規、パートの職員が通常は切り盛りしているという状態が露わになりました。老人宅を訪問している職員が非正規なら残業させられず、呼び出しをかけられない、というものです。それはそれで少しおかしな規則だとは思いますが、いつもの非正規の職員が訪問せず、正規の職員が避難を呼びかけて応じてくれるだろうか、ということに台風が近づいてきているのに、まだそんな呑気なことを言って手順を確認していました。台風被害の少なかった地方ならではの対応かも知れません。それはそれで公共機関の職員数の適正員数がどれ程か検討しなければ成りません。今回の台風で水道設備、浄化槽、取水口などの損壊は果たして民間事業者が負担するものなのか、県が負担するものなのでしょうか。県が全面的に負担するものであれば、200億のお金をもらって委託しても契約最後まで残ってはいないでしょう。民間事業者が負担するものであれば、迅速には復旧しないものと想像できます。施工業者選定、見積もり等々手間暇掛かるものと想います。宮城県の議会は、気象状況の変化を感じ取っているでしょうか。目の前のお金に飛びついていないでしょうか。人口減少社会ということをもう少し深く考えてもらいたいと思います。人が居なければ水道料金は上がります。台風、地震、雪害が増えれば料金は上がります。大金を持ったことの無い者が、大金を持つとたいていの場合失敗します。私は水道事業を民間に委託する場合、民間との契約内容も大切ですが、もらったお金の使い途をしっかり精査して、計画書を作って、人が換わろうとも、計画通りに使用する、ことを議会で決議してもらいたいと思います。懐にお金があると、一寸のことはルウズになりがちです。また前倒しなどの都合の良い合い言葉に欺されがちです。民間委託は最小限の範囲で試験操業してみるのが良いと私は思います。本来公務員とはそういう者ではなかったでしょうか。いつの間にか民間人以上になってしまったように感じます。決定事項の判断が遅いのは相変わらずですが、目先の利益に飛びつく様子がうかがえるようになりつつ有るのを感じるのは私だけでしょうか。