SB問題に思う

SB元社員が機密を売りました。その機密自体は専門家にとってはたいしたことが無いことのようですが、機能停止にするには重要な問題を孕んでいると思われます。スパイ活動はどこでも行われており、日本はスパイ天国のようです。高度な機械、システム、が秋葉原のように店頭売りしているようなものではないでしょうか。私はそれよりもSBの会社が危ういように想います。元社員は契約社員では無く正社員だったようです。おまけに管理者だったようです。その社員が小遣い稼ぎのように機密を売り、スパイでは無いのか、と怪しんだ後も関係を続けていたことはどういうことだろう。本人の専門分野にとってはたいしたことがない情報だったかも知れませんが、情報漏洩問題より情報提供問題の方が大きいと私は思います。所謂モラルの低下がうかがえます。今時モラルの低下を言うのはおかしいかも知れませんが、襖一枚隔てた空間を別世界のように意識する日本人的感覚が失われつつあるようです。日本人は欧米人よりも他人と自人を区別します。また個人主義、個人の特色も自己責任のとれる範囲であれば容認します。その点だけは欧米よりも、むしろおおらかなように感じます。人種の問題、同性愛問題、などそれが個人レベルであるかぎりは、周りの反応は別にして、それ程困るようなことが起きないように想います。さてこの元社員はどういう理由で売ったのであろうか。小遣い稼ぎとはいうものの、一般家庭の給料以上をもらっていたのではないのか、と想像します。むしろ会社に対する不満のほうが大きかったのでは無いのかと、ある意味善意に解釈した方が私には納得がいきます。自分のやりたいこととやれないもどかしさ。仕事に対する評価。仲間内での競争、独立志向などが絡み合っているほうが、理解しやすい。その方面に問題をすり替えてはいけないと思いますが、スパイでは無いのか、と思っても関係を続けていたことを考えると、他人との関係などどうでもよくなってしまったように思われます。会社との関係、仲間との関係、社会との関係全ての関係が一度は頭をよぎったのではないでしょうか。それらを無にしてもよいと思わせたものは何だったのでしょう。サラリーマンとは、与えられた環境で、与えられたツールを使って、与えられた仕事をする、というものです。そこに個人の個性を少し振りかけるのは許されますが、大きく加えるのは間違いです。そいう窮屈な基で仕事をして決まった給料がもらえます。生活のため安定した給料をもらうため、個人の特色は消さなければいけません。特色を出そうと思うならトップになってから出さないと潰されます。他人が自分に影響が無いときはほったらかしの状態ですが、一端関係が出来るとつぶしに掛かります。そういう人間関係の縮図がサラリーマン生活にはあると想います。SBの会社はそ言う社員を生み出しやすい会社でしょうか。長年働いてきた社員の意識を理解できない会社でしょうか。目の前の実績を重く見る会社でしょうか。今働き方によって給料を変えようとしています。年功序列型を廃止して、能力主義にしようと動いています。能力主義とは目の前の実績を見るのでしょうか。その評価をする人は、能力のある人でしょうか。文部科学省の英語試験問題のように難問があるように思います。能力者は毎月の給料で評価するのではなく、ボーナスで評価するべきだと私は思います。ボーナスは会社利益に応じた体系になるべきだと思います。たまにトップの人が決まった仕事をして給料がもらえるからよいなぁ、などと言いますが、トップの苦労もうなずけますが、社員の苦労も理解してもらいたいと思います。社員の失敗は個人に来ます。トップの失敗は会社に来ます。失敗し続けて会社を潰すようなことが起きても止めさせられません。批判にさらされて初めて止めさせられます。郵政問題にしろ自分から身をひく事が出来ません。SBの会社は社員の意識の低下、会社運営問題、トップの危機意識のなさ、それらを内包しているように感じられます。同じ事が政治の世界にも当てはまってきています。日本ばかりでは無く世界中で自分の問題ばかりを議論し、他人を構わないようになってきつつあるように思います。