小室直樹 資本主義の精神を見て

大井幸子さんのYouTubeを見ていたら、小室直樹さんという人を知りました。「資本主義の精神」というYouTubeがありました。さっそく見てみると、大変興味深い内容でした。中国、ロシアが資本主義かどうか。経済は資本主義的な格好をしていますが、共産主義です。どこが日本との違いでしょうか。小室さんの説を大雑把に、私的に解釈すれば、資本主義の前段階として依法官僚制と家産官僚制があります。依法とは法律制度に基づくもの。家産とは家族の繁栄を基礎とするもの、のようです。日本人は法律を意外と重要視する傾向があるように思います。中国の歴史もののDVDなどを見ると、一族の繁栄を優先する傾向があることが分かります。一族に入らない別の部族を攻撃したり排除したりするパターンが多いように感じます。日本にもその傾向はあるとは思いますが、根絶やしにするというよりも優秀なものは登用する傾向もあります。日本の将棋は相手の取った駒を、自分の駒として使うことが出来ます。そういうルールは世界でも珍しいそうですが、日本人は敵対する駒も自陣に組み込めるという発想が珍しいと思います。家産官僚制はいろいろ面白い面があります。中国の経済感覚をまさしく言い表していると思います。共産党という家族に入っていない一族は排除の対象です。自分の儲けは家族に還元され、見返りとして守られるようです。また基本給+賄賂という感覚よりも、基本給+チップという感覚の方があっているのではないのか、と思います。その他いろいろ考えてみますに昔の中国の感覚、制度を今の資本主義経済に持ち込んでいる感覚があります。共産党という一族を造り、チップ制度という賄賂がまかり通り、一族の繁栄のためなら他部族から搾取しても構わない。もはや共産主義という事も言えない。その結果資本という株式会社など眼中にも無いように思えます。ロシアも株式というよりも一部の人の資本集中、他企業排除による、オリガルヒなるものの独占が横行しているようです。経済が発展していない状態では独占的な企業が現れるのは仕方がないのかもしれませんが、一社独占、他社淘汰という状態はどうでしょうか。日本にも独占的な大企業がありますが、それを支える中小企業が多くあります。その中小企業を独占企業に取り込まず、一企業として認めている事こそが、発明、発見、ダイナミックな発想を生んでいるように思います。日本の官僚制についても面白い傾向があるようです。明治時代の官僚は下級武士が多くいました。そのため世のため人のため、のような感覚があったようです。しかし今は家産官僚制的な傾向になり、家族のため自分のため、の様子が強く出ているようです。大変面白い講義形式のユーチューブです。