原子力発電所を輸出する計画に思う

原子力発電所をイギリスに輸出する計画があるそうです。中心企業は日立製作所です。社長のコメントがすごい。損得より善悪が大事だ、と言うことです。大企業のデータ改ざんなど不正が横行していることに一石を投じているのかも知れません。私的にはそういう事を言って良いのだろうか、と思ってしまいます。悪気はありませんが、私企業は利益を追求するのが第一であると思います。その過程において従業員の福祉につとめながら、公共の利益をはかり、社会貢献を果たす、のではないかと思います。企業が善悪を言い出すなら、TV、新聞社などはただでさえ善悪を我が物顔で言う場面が見受けられるのに、一体どういう善悪をさして言うのだろうか。勿論社長のコメントは一連の不祥事に対する道徳観の欠如に対するものだろうとは思います。善悪という言葉の使い方が私には文学的に聞こえました。不祥事の原因は個人の問題と言うよりかは、企業体質の問題と思います。それも特に大企業特有の驕りと思います。また原子力発電所の輸出に政府保証を付けるようです。一大プロジェクトです。安倍政権は海外プロジェクトに躍起になっているように見受けられます。モリカケではありませんが、大丈夫ですか。石油プラントなどの建設は、戦争で全て灰になりました。イギリスは戦争はないかも知れませんが、当事者になる可能性はあります。しかし他のヨーロッパ諸国が原子力発電所を止めようと計画しているのに、なぜ造ろうとしているのだろう。それこそ文学的に類推してみる価値があるように思います。それにしても政府保証を全面的に付けるとはどういうつもりだろう。イギリスはEUを離脱します。経済成長が不透明です。資金は大丈夫だろうか。それともイギリスと同盟でも結ぶつもりだろうか。一私企業が自助努力により商売をするのは良いとして、その金額が巨大になるのも仕方が無いとしても、政府保証は先進国間の取引を考えるとどうでしょうか。利益を追求すれば当然リスクが有ります。そのリスクを開示し検討する必要が有ります。こういうのは国会でするものでしょうか。よく分かりませんが、いつの間にか国民が債務保証者になってしまっている事だけは避けたいと思います。ところで当然原子力発電所と日本の原爆の問題が取りざたされると思いますが、それについて適格な応答を用意しているのだろうか。私企業だからコメントは差し控えたい、は恐らく通用しないと思います。日本政府の立ち位置について、ややもすればダブルスタンダードと揶揄され、説明に躍起にならなければならない状態になりはしないかと思います。巨大プロジェクトの成功を望みますが、少し時代感が違うような気もします。薄利多売を避け高利単売をし続けると一度こけたら立ち直れません。東芝の例を引くまでもなく、慎重の上にも慎重を喫してもらいたいと思います。