西野監督に思う

西野監督の采配には驚かせるものがあります。ポーランドとの負け覚悟のボール回しは圧巻です。私が思うに監督は負け試合を半分以上想定していたのでは無いか。そもそもメンバーを6人も入れ替えること自体が異常なことと思われます。野球であれば内野手が全て控えの選手と入れ替わった様なものです。なじみの無い選手を見て、今日は主力の休養日だと思う事でしょう。この入れ替えが後の試合を見据えたものとすれば、やはり賭けに出たものと判断せざるを得ません。6人のメンバーに試合を託した判断はすごいものがあると思います。理由は色々付けられます。年のいった選手が多いから主力組を休ませる、若手の、出場機会の少ない選手の力量をはかる、戦術を理解できるか従えるか判断する、など内容的には得るものの方が多かったと思います。それにしても大胆すぎる決断では無いでしょうか。引き分け状態なら結果としてはベストかもしれませんが、そうするとポーランドが必死に仕掛けてくる。負けているからこそ仕掛けてこない。皮肉なことのように思われます。セネガルが引き分けた場合当然日本は負けるわけですが、そうなっても良いと半分以上想定していたのでは無いでしょうか。ポーランド戦でぼろぼろになって勝ちを拾っても、次の試合では勝てないことを実感していたのでは無いでしょうか。日本は16には入っても8には残れないことを知っていたのでは無いでしょうか。日本のサッカー技術はよそに負けないとしても、選手層の厚さではやはり見劣りするものがあり、いままでは16で疲弊してしまっている感があったのでは無いのか、と思います。西野監督は若手選手の育成を込めて6人を入れ替えたのかな、と思います。目先の勝利を求めるよりも次に繋がる勝ちを拾いに行ったものと思います。それに答えるように交代メンバーもよくがんばったものと思います。監督交代をしたにもかかわらず、この結果は素晴らしいと思います。いや交代劇があったからこそ、こう言う大胆な采配をしたのかもしれません。こう言う大事な試合で若手を使うのは勇気が要ります。ましてや負けし合いを容認する采配には批判が掛けられます。何かをしっかりと持ち合わせていなければ、潰れてしまいます。その場しのぎの思い付き、偶然性だけでやり過ごせても人はついて行かないものと思います。自分の見栄だけで最後まで闘えば良かったかも知れません。しかし勝負の世界と育成の世界を両方求めるのには日本には力が足りないように思います。負け戦をどう納めるのか、戦国であれば考えねばならないことです。西野監督はこれから日本に求められる一つの監督像かも知れません。潔く戦うのも、狡猾に勝つのも、術策で勝つのも必要です。勿論選手との信頼関係が第一と思います。なにもサッカーだけでは無く企業にも言えることです。私的にはもう少しうまくパス回しをやって欲しかったと思います。